ミャンマー不動産レポート 2013年10月

  ヤンゴンのオフィス賃料、シンガポールを抜き、東南アジア最高値。  

連日、ヤンゴン・プレスをご覧いただいたお客様からのお問い合わせをいただくようになりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。直接、事務所にお越しになる方もあり、来訪者の対応に追われ正確な数値としてお伝えできませんが、お客様のリクエストに変化があることを肌感覚で感じます。7月、8月の頃にはこれから事務所をお出しになる企業様が大半でありましたが9月、10月くらいから、すでにミャンマーに事業所をお持ちの日系企業のミャンマー事業所より、更新が近く、よりコストパフォーマンスの高い物件があれば情報を欲しいとのご依頼をいただくようになりました。昨年末よりいち早くミャンマー進出、再進出を果たした企業からのご依頼です。ホテルで仮住まいをされていた駐在員の方が住居をお探しになるケースもあります。完成したオフィスビルちらほら見受けられまして、今回は今年開業した「CENTRE POINT TOWERS」「UNION BUSINESS CEN-TRE」の2つの大型ビルを物件情報として掲載いたしました。比較検討いただけるよう、「Park Royal Hotel」のサービスオフィスの情報を載せてあります。

ミャンマー不動産マーケットの高騰についてはこれまでにもお伝えしてまいりましたが、2013年7月にヤンゴンに進出した、世界的なオフィス不動産会社コリアーズ・インターナショナルの調査によるとヤンゴンの最高級オフィス(Grade-A)スペースは、1平方メートルあたり月額78ドル(約7800円)でシンガポールを抜き、東南アジアで最も高価格となったと発表しています。シンガポールは74ドル、タイ・バンコク27ドル、フィリピン・マニラ20ドルで、高層コンドミニアム、オフィスタワーの建設が進む、他のアジア各国に比べても飛びぬけて高価格であることがわかります。喫急の課題であるオフィスの確保についてはコンドミニアム、アパート、戸建も含めて、事務所兼駐在員の住居も視野に入れますと選択肢が広がります。

Pg5「住」ページ 11月号

「成立が待たれるコンドミニアム法」

ミャンマー不動産マーケットの動向をひもとくうえでキードライバーとなるのは成立が待たれるコンドミニアム法(A condominium law)です。コンドミニアム法の草案は、昨年11月に発表済みです。草案によりますと、この法律は、1、外国人が不動産を所有することを認める、2、建物の所有(区分所有)の概念、および、3、建物の登記制度を導入する、ミャンマーとしては3つのしくみを同時にはじめて導入するものです。過去の法成立プロセスから類推するに、法案審議の段階で草案から大幅な変更も予想されます。この時点で読者にお伝えするのは、草案と承認された法律との変更点にミャンマー政府の意図を読み取ることができるからです。不動産投資等お考えの方には、草案もご留意いただきたいところです。

草案によると、外国人がコンドミニアムを購入するにあたっては、建物の6階より上部、特定の建物内のユニットの40%を超えない範囲との制限があります。新たに設立されるコンドミニアム登記所では、コンドミニアム内のユニットごとの所有権を登録簿に登記し、所有権の所在を示す権利証書を発行します。購入したコンドミニアムは、売却、贈与などでき、さらに担保として使用することを認めています。その他、コンドミニアムそのものの定義、建物管理、建物品質に関する取り決めが含まれています。

弊社ではこれまでも、ヤンゴンプレス紙面での不動産情報ではコンドミニアムとマンションを区別してまいりました。ヤンゴン市内では、6階建まではエレベータ設置義務がありません。上層階にいくにしたがって価格は安くなり、低層階1階部分が最も高い値づけです。供給が需要にはるかに追い付いていない現状では工期が短く、コストが抑えられることから、6階建が主流で建設されています。このタイプの建物は厳密にはコンドミニアムではなく、アパートと区分できます。最近では、ジムやプール、ショッピングゾーン、駐車場、共用スペースを備えた、いわゆるコンドミニアムの建設も進んでいますが価格帯は4,000万以上6,000万円台と表面価格だけ見ると日本のマンションと変わらない価格です。

「加熱するミャンマー不動産市場はいつまで続く?」

ヤンゴン市内のコンドミニアムの需要はオフィス需要の伸びが起爆剤となり、昨年に比べ、50-60%程度伸びていると言われます。価格では過去1年で300%の値上がりしている物件があります。ミャンマーを訪れる外国人観光客は、200万人に迫るいきおいです。隣のタイは毎年1500万観光客が訪れています。企業のミャンマー進出はまだ道半ば、需要と供給のバランスでいけば圧倒的に供給薄の状態がつづいております。自動車の輸入のような大胆な政府介入がない限りは上昇から横ばいで当面は推移するものと考えられます。

最後に、これからの連休や年末年始の長期休暇を利用してミャンマー視察をお考えの方に朗報。ミャンマーの暦で正月は4月中旬(水かけ祭り)にあたり、日本のように年末年始は休みではありません。官公庁、銀行、企業は通常通りの営業です。この機会にミャンマー・ヤンゴンにお越しになってはいかがでしょうか。なお、通訳・ガイド料の相場は1日100ドル、レンタカーは50~60ドル(ヤンゴン市内周遊、価格はドル換算、レートによる若干の変動あり)です。

※なお、本文の目的はミャンマー・ヤンゴンで事業を展開される各種法人様、不動産開発・不動産投資をご検討の事業者、投資家の方への情報提供です。コンドミニアム法の草案はあくまで概要として、簡略化してお伝えしております。実際に不動産取引をなさる際には、専門家より最新の動向、法制度等お尋ねいただきますよう、ご理解ご了承の程、お願いします。

弊社、ValueAsia(バリューエイシア)ではすでにオフィス、店舗、住居の他、工業団地、工場用地、貸し工場等の調査にも着手しています。これらについては次号以降にレポートいたします。なお、情報が必要な方は、現時点までの調査データに加え、お客様のご要望にあわせて追加調査を行い、情報提供いたします。

YangonPress11月号掲載分加筆、修正