ミャンマー不動産レポート 2014年2月
3月号「住」ページs

ヤンゴンの大動脈、ピーロード。沿線商業地回避が賢明な選択か。

今回はヤンゴン西方の幹線道路、ピー・ロード周域、インヤー湖から人民公園を結ぶエリアを取り上げます。
ピー・ロードは東京都内でたとえるなら、世田谷、三軒茶屋、渋谷、青山を通り皇居周辺まで通じる国道246号線のイメージです。
インヤー湖の周囲は高級住宅街。ユニバーシティーロードはヤンゴン大学、ヤンゴン外国語大学にはさまれた学生街といったところでしょうか。カマーユ、サンチャウン地区は再開発が盛んで、ピー・ロードの西側にコンドミニアムが数多く建設されています。
ピー・ロードはジャンクションスクエア、ダゴンセンター、レダンセンターなどショッピングモールが充実しており日本からの駐在者が住みやすい街のひとつです。ひとつ難点なのは、ピー・ロードはヤンゴン有数の渋滞エリアでトレーダーズホテル周辺からレダン交差点まで5,6キロのところを40分ほど要することもしばしばです。

具体的な物件で相場観をみていきます。ピー・ロード沿線は強気の価格設定です。サクラレジデンス、エスパスエヴェニールといったヤンゴンで人気のサービスアパートメントは賃料も高額です。サクラレジデンスは2Bedroom(master1、bed1)で月額賃料4800ドル。外国人が生活に不自由を感じない程度に住めるコンドミニアムは、1000sqf・約93㎡で20万円前後(坪単価7,000円)が相場です。手ごろなところでは、ダイヤモンドコンドミニアムは2bed-room・1200sqf(111.6㎡,33.48坪)で月額賃料11万~。

次に、新築のコンドミニアムの価格ですが、カマーユ地区、この地図上では左隅に位置するKhine Shwe War Condoは、2Bed-room・駐車場付・1300Sqf(120.9㎡,36.27坪)で1300万台からで、坪単価35万。Zayar Thiri Condoは、1700sqf(113.3㎡,33.98坪)、坪単価約47.5万。ヤンゴン川に面したチミンダインでも同水準です。サンチャウン地区、ダゴンセンターがある交差点の付近一帯はミニゴンと呼ばれる地域で、坪単価60万後半から90万が主流です。中古でも新築コンドとほぼ変わらない値付がされています。これまで取り上げてきた他のエリアとの比較では、ヤンゴンで最も地価の高いバハン地区で建設中のコンドミニアムの坪単価は60万~90万弱ですから、地域によって、おおよそ20~30%程度の価格差があります。

ピーロードエリア

ヤンゴンの新築コンドミニアムの価格は高騰しており、額面だけみると日本のマンション価格よりも高いようにみえますがミャンマーのユニット面積は1000sqf(約93㎡)以上が主流ですから、坪単価は100万円以下です。新築マンションの坪単価は東京で250万、東海・関西で150万、日本のマンションは20坪(約66.12㎡)で4,000万円、坪単価200万くらいしますから おおよそ日本の5割から4割くらいの価格です。
ヤンゴンの都市計画は北東方向へ放射線状にベクトル伸ばし拡張していくことが想定されています。不動産需要としては、インヤー湖北部、ヤンゴン国際空港とインヤー湖の間にあるマヤンゴン、ここは空港から5キロ圏と近くミンガラドンほか工業団地のアクセスもよいこともあり需要が見込まれます。

良物件確保には、丹念な調査と迅速な意思決定が不可欠。

ヤンゴン市開発委員会(YCDC)は今期625の高層建物、2496の戸建の建設許可を出しているものの、依然不足が続く不動産開発を推し進めるため様々な施策を講じています。建築許可申請のオンライン化はそのひとつ。ミャンマーの近代化はインフラ(ハード)整備とソフト(IT化)が同時進行に進んでいる点がべトナム、タイ、マレーシアといった東南アジアにおける近代化の先人と異なっており特筆すべき点です。また、YCDCは、200万以下で購入することができるミャンマーローカルが住む低コスト住宅の建設をローカル企業と外国企業が共同プロジェクトで進めるための入札を実施しています。あわせて、建造物の質にも配慮しており、無許可で建設されている建造物への法的処置として、取り壊しを命じる法律を作成しています。

ミャンマーでは近代化の妨げとなっている法体系の見直しおよび海外からの投資を呼び込む法整備が進んでいます。1月末に経済特区法(SEZ法)が改正されました。SEZ法はダウェイや日本が中軸となって開発を進めるティラワなど製造業のミャンマーへ進出の後ろ盾となる法律です。すでに草案が公開されている知財法や電力法、会社法など、ミャンマーにおける企業活動、投資促進につながる主要法案の審議が継続中です。ミャンマー国家首脳は2015年の総選挙までに法体制の整備を進め、近代国家への礎を構える意向です。

ミャンマー市場開放、本格的な和僑の訪緬がはじまってから約1年が経過しました。インフラの不自由さもさることながら、賃料の高さ、ホテル宿泊費の高騰は事業展開において大きな障害であると考えます。
本誌の読者の中にミャンマー・ヤンゴンにビジネスチャンスを見出し、事業化途上の方も多いものと思われます。企業経営上、固定費にあたる不動産価格は頭の痛い問題です。
忘れてはならないことは、日本だけではなく、アジア、欧米諸国からもミャンマーは注目されている事実です。新日国であり多少のアドバンテージはありますが、グローバルな競争が存在していることは当然のこととして頭にいれておくべきです。弊社がアテンドさせていただいているあるメーカーさんは、数か月の調査の上、工場用地を絞り込み、決定段階に入っていましたが日本での決裁を進めようとした矢先、他国の事業者に契約されてしまった、そのようなケースも発生しています。丹念に、物件調査を重ねつつも、意思決定スピードが求められています。
(文責:ValueAsiaMyanmarLtd.)

YangonPress2014年3月号掲載分加筆、修正


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