ミャンマー不動産レポート 2014年1月

人口増加と住宅供給のバランスがミャンマー成長のキードライバー。

先日、東京都内の地下鉄社内で隣り合わせた男性サラリーマン2人連れがミャンマーについてあれこれ話しているのが聞こえてきました。なにげない会話でミャンマーが話題になっていることを知り、ミャンマーへの注目度の高まりを痛感します。

日本とミャンマーは昨年12月15日、日本ミャンマー投資協定(「投資の自由化、促進及び保護に関する日本国政府とミャンマー連邦共和国政府との間の協定」)を締結しました。両国間の関係がますます強化されることが期待されます。この二国間協定は2012年11月成立の外国投資法に定められる、いわゆる外資規制を超えるものではないようですが、投資環境が一歩前進し、日本からミャンマーへの直接投資が促進されることでしょう。

さて、今回とりあげる、バハン地区、インヤー湖畔エリアはヤンゴン市街で最も地価が高い地域です。昨年9月、ヤンゴンの政府機関は地価高騰を抑制する施策として平米当たりの地価の上限を設定しました。その中でバハンが最も地価が(日本でいうところの路線価)高い地域に設定されています。バハン地区はヤンゴンの中心シュエダゴンパゴダ(地図左下)の北部に位置し、シュエダゴンパゴダからインヤー湖までの南北約3.5㎞、東西約3㎞ほどのエリアです。インヤ湖畔は高級エリアで異国情緒が味わえます。湖の南東にはJETRO、みずほ銀行が入居するセドナホテルがあります。この近辺は、ヤンゴン国際空港から車で15分から20分、セドナホテルからダウンタウンまでも15分から20分と便利です。湖の南、アウンサンスーチー邸の近辺は邸宅が立ち並ぶ高級住宅地です。
カバエーパゴダ通りに沿って、マリーナレジデンス、ミカサホテル、ゴールデンヒルなどサービスアパートメント(家具付きマンション)があります。ツインタワーでよく目立つのゴールデンヒルです。日本企業の駐在事務所、駐在員が多数入居している「パールコンドミニアム」は坪単価にして2500円程度からとヤンゴン市内では手頃な物件といえます。なお、カバエーパゴダ通りは渋滞しやすい通りです。

邦人のヤンゴン市内での住宅事情をヒアリングする機会がときおりありますが、1600sqf=44.64坪を3~4人でシェアして一人あたり3~5万というのが平均のようです。それでもミャンマー庶民に比べても桁違いに高い家賃です。
ミャンマー人も何十万もするそんな高いところに住んでいるのか?とよく尋ねられますが、弊社のスタッフも若手はヤンゴン郊外から1時間から1時間半かけてバスで通勤をしてきているのが現状です。地元庶民の月給は日本円で1万円以下です。ブルーワーカーは7,000円前後が標準月給です。彼らが住むアパートの家賃は1,500円~2,500円が相場です。今回載せている地図上ではインヤ湖の北部、環状鉄道の東側から数キロ先が一般庶民の居住地ということになります。
当然のことながら、ヤンゴン市街にも10万円以下で借りられるアパートはあります。ヤンゴンで賃貸物件をお探しになる際には、安い物件には注意していただきたい点が2点あります。1点は、ミャンマーでは6階建まではエレベータを設置するしなくてもよいきまりになっているためアパートの上位階が下階よりも安く設定されています。また、アパートはその構造上、ポンプで水をくみあげますので発電設備が設置されているかを確認してください。ない場合は(最近では頻繁ではありませんが)停電時に水道を使えなくなります。また、雨漏りがないか、雨季の水はけにも十分注意を払ってください。

ピーロード
ミャンマーの建設技術にあたっては、日本と比較して、空調、衛生、管工事の技術に著しく差があります。居住建物および建物周囲の水廻りは衛生上、健康上直接かかわりますので、念を押してご確認ください。全般的にネット上に掲示されている賃貸価格は実際の価格より高めです。貸主との間に数人のブローカーがはいっているケースがありますので、間に入って交渉をできる仲介業者探しも物件探しに欠かせません。

ヤンゴン市内では民主化、経済の発展にともない、地方から労働者や学生が集中しています。ところが賃料の高騰で住居の確保がままならいことが問題視されています。1年前ヤンゴンの人口が将来1,000万人といわれていたものが、最近のメディアでは1,200万人まで増加するであろうというのが統一見解のようです。そこで、ミャンマー人向けの住宅取得支援施策が出されています。ひとつは、1月11日に住宅購入資金を長期で融資する専門銀行の設立です。建設省が管理する「建設住宅開発銀行(Construction and Housing Development Bank=CHD)」です。長期住宅ローンはミャンマーでははじめての試みです。もうひとつは、低コスト住宅を建設するプロジェクトで国家予算から5億ドル規模の投資が計画中です。これらの取り組みの不動産市況への影響度は今後、注目したいところです。

(文責:ValueAsiaMyanmarLtd.)

YangonPress2014年2月号掲載分加筆、修正